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自閉症スペクトラム障害の娘の問題行動とそれについての対応

この記事は30代の女性に書いていただきました。

……….

 発達障害の子どもを持つ親として、大変だな‥と感じる理由のひとつに「問題行動」が挙げられます。問題行動はしばしば、親でもびっくりするほど突然に起こり、そしてそれを引き起こしている本人もとても辛く苦しんでいます。

 今回は、特別支援学級に通う自閉症スペクトラム(知的障がいを伴わない)の娘の問題行動と、それについての対応の仕方をお話ししたいとおもいます。

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いろいろな問題行動、娘の場合

 人それぞれ性格が違うように、発達障害の子どもたちにも個性があります。自閉症スペクトラム障害の娘の場合、朝起きた瞬間からドタバタ劇の始まりです。朝目が覚めたとき、娘にとってなんらかの不快な気持ち、「眠い」「寒い」「暑い」「いやな授業がある」などがあったとき、身を起こしたあとは布団の上で固まってしまいます。

 朝は時間との戦いですから、「早く着替えなさい」と、親のわたしも一生懸命声をかけます。けれど、自閉症スペクトラム障害の人たちは言葉での指示をうまく理解できません。
「早く」と言われても、どの程度急げばいいのか理解できない娘は、相変わらず動こうとしません。

「いつ」までに「なに」をするのか明確にする

「今すぐ」に「この洋服に着替えなさい」
「お母さんの洗い物が終わるまで」に「えんぴつを削りなさい」
と、的確な指示をするようにします。

 自閉症スペクトラム障害の娘は曖昧な表現を理解できないので、はっきりと指示することを心がけています。

 それでも今すぐ着替えたくない場合には、パニックを起こします。わーっと大声を出し、出された洋服を投げ飛ばし、床を蹴って騒ぎます。パニックを起こして暴れ叫ぶことで、自分の心の中にある「いやだ」「やりたくない」というマイナスの感情を外に吐き出し、頭の中をすっきりさせているようです。

パニックが起きたらしばらく放っておく

 大声で叫び、ものに八つ当たりしているときは、何を言っても娘には届きません。ものを投げる腕を押さえようとしても、暴れてますますひどくなります。

 こんなときは、一定時間だけ一人にさせるようにします。どんなにパニックがひどくても、娘のことが心配でも、ご近所の目が気になっても、一人の時間を与えます。パニックはほとんどの場合、本人の心がパンクしたときのストレス発散方法であるため、あえて一人にして叫ばせることでその後会話がしやすくなります。

忘れやすいものは玄関に

 自閉症スペクトラム障害の娘は、驚くほど忘れ物が多いです。黄色の安全帽や名札、ふでばこ、うわばき、体操服など、あらゆるものを忘れます。

 これは、日頃からしつこいほどに声かけをするしかありません。何度も何度も持ち忘れがないか声かけをしますが、それでも忘れてしまうこともあります。ですので、手に持っていくような荷物は玄関に置くようにします。(玄関に置いても忘れるときはありますが、まだマシになります)

 持ちものを書いた紙を玄関に貼ったこともありましたが、上から落書きをしてしまったので、娘にはあまり良い方法ではありませんでした。

熱がなければ登校させる

 発達障害を持つ子どもたちは、周りの子どもたちとは違った生きづらさを日々感じています。周りの友達と同じようにできなかったり、どうしても上手くいかないことも多いと思います。

 ですので家を出るまでにダラダラと過ごしてしまうことも多くあります。特に体調不良や友達との過度のすれ違いがなければ、騒いでも連れて行きます。登校をしぶったとき、一度でも休ませてしまうと「騒げば休める」と思わせてしまうため、あまり良い方法ではありません。

嘘にはひとつひとつ真実を確認する作業を

 自閉症スペクトラム障害の娘の場合、日頃の生活において何気ない嘘をつきます。小さな嘘から大きな嘘まで数え切れないほどありますが、すべての嘘に対して「本当はこうだったよね?」と真実を確認する作業を行っています。

 他者から見たら嘘かもしれませんが、娘にとっては嘘ではなく、「本当にそうだった」と思い込んでしまった「偽物の真実」であることがほとんどです。これは、発達障害による認識の歪み(物事の受け取り方の歪み)と聞きましたが、間違った真実を思い込んでいる場合は、それが本当ではないと娘に教えるようにしています。

まとめ

 発達障害の問題行動といっても、その種類は様々です。パニックや忘れ物、自傷行為や偏食、こだわり、まだまだ伝え切れないことはありますが、発達障害の子どもたち一人一人に合った対応をする必要があります。

 娘には合わなかった対応が、他の子では合うこともあります。その子がどういう性格かをよく把握し、問題行動をすぐに解決しようとせず、長期的な目で見てゆっくり解消していくように対応していくと良いでしょう。

[参考記事]
「娘の高機能自閉症が分かるまでの経緯。言葉が消える、髪の毛をむしる」

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