私は発達障害

就労継続支援A型事業所で出会ったアスペルガー症候群の人達の特徴

この記事は就労継続支援A型事業所で働いている方に書いていただきました。

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 私は現在、就労継続支援A型事業所で働いております。簡単ですが自分の紹介をさせて頂きます。以前私は、IT関係のお仕事をしており、度重なる負荷により、仕事でうつ病になってしまいました。そういった経緯もあり、現在の職場で働かせて頂いております。

 ちなみに私は発達障害ではありませんが、就労継続支援A型事業所で出会った発達障害の利用者さんを見て気づいた特徴を書いていきます。

※就労継続支援A型事業所では利用者さんと雇用契約を結んで会社で働きますが、給料は安いです。その代わり、一般企業に就職するための訓練的な仕事を行なうことができます。

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職場でのアスペルガー症候群の仲間との出会いと気付き

 今、働かせて頂いている就労継続支援A型事業所での周りの仲間には発達障害の方も多く、その中でもアスペルガー症候群の方が多いです。アスペルガー症候群は、どんな発達障害なのか、就労継続支援A型事業所で働くまでは良く理解できておりませんでした。

 それでは、実体験を元に、私が感じたアスペルガー症候群の症状をお持ちの方々についてお話させて頂きます。私が気付いた点として、大きく分けて三つあります。

※アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害の一種です。

特徴①素直

 まず、一つ目として、素直であることが挙げられます。通常であれば、空気を読む様な場面で、発言をひかえる方が多い様な場面でも、その時思った事を大きな声で話されます。周囲の支援員さんの理解がある為、支援員さんは怒りませんが、通常であれば怒ってしまうであろう場面がたくさんありました。

 一例としてですが、アスペルガー症候群の利用者さんが皆と話をしていた時、急に「それはダメじゃないですか!?」と言いました。少し周囲がざわつきます。そんな時も、「何でそういうことをいったの?」と優しく支援員さんが声をかけますが、そのアスペルガー症候群の人は最初は「だってそうでしょう?」となります。その後、「あれ?もしかしてぼく、間違っていたかな?もし、間違っていたらごめんなさい」と心配そうにされます。

 支援員さんはこんな時にも冷静に「ううん、間違ってはいないと思うよ。みんなに間違っていると思って教えてくれたんだよね。」と言い、サポートをします。そうするとそのアスペルガー症候群の人は「はい。そうなんです。」と言いますが、どこが間違っているのか分かっていないと思います。

 こういう経験から、アスペルガー症候群の症状をお持ちの方はとてもピュアで真っすぐな心を持っているんだと知ることができました。

特徴②集中力にムラ、過集中など

 二つ目として、とても集中力にムラがあります。どういったことかというと、自分が興味がある作業(例えばPC作業)においては、とても集中して作業ができるのですが、他の作業ですと、途中で眠ってしまうこともあるのです。

 また、集中している時は、声をかけてもなかなか気付いてくれないことが多いです。過集中は発達障害の人に多いです。きっと、自分にあった仕事を見つけたらとてつもない成果をあげられるのではないかとも感じております。

 そして、こだわりがとても強いです。ひとつひとつの作業(工程)に対して根拠を求める傾向はとても強いです。ですので、こだわったものに対しては、とてつもない集中力を発揮するのです。ただし、こだわりが強すぎて複数の作業をしようとすると、混乱をしてしまっている様子も見受けられます。その際は、支援員さんがかけつけ、問題点を一緒に整理するといった流れになります。

特徴③抽象的な概念が苦手

 三つ目として、自分が納得しないと絶対に引かないです。先ほどもお話ししましたが、根拠がきちんとわからないと前に進むことが出来ないといったことです。

 例えば、「こんな風にやってみて」といった曖昧な表現ではご本人には通じません。この時、アスペルガー症候群の本人が発せられる言葉は「よく、言っている意味がわかりません。」「どういうことですか?」といった言葉になるのです。

 とにかく、抽象的な概念であったり、抽象的な表現であったりするものに関しては、理解をされるのがとても難しいご様子です。論理的にかつ、根拠をもって説明をしないと納得されないのです。

 その為、支援員さんも、論理的になぜこのようになって、このような道筋をたどるのかといったことをいつも丁寧に説明されております。

 現在、そのアスペルガー症候群の人はのびのびと作業をやられているのですが、発達障害の理解がない支援員さんがいる施設ですとこれも難しかったでしょう。もちろん、私のようなうつ病の人でも同じです。支援員さんをはじめ、周囲の恵まれた環境に今あることがとても幸せです。恵まれた環境に身を置けたのか、置けなかったのかで、発達障害を持った方の成長も人生も変わってしまうのだと感じる毎日です。

 それは、精神疾患であろうが、発達障害であろうが、何の障害も持たない人も同じなのではないかと自分は感じております。上手く、文章が書けているか心配ですが、私の現在の気付きです。

[参考記事]
「就労移行支援事業所のメリットとデメリット」

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