私は息子が1歳半になった頃から発達障害(自閉症)を疑い始めました。それまでは何の疑いもなく過ごしていました。
息子の発達障害を疑った理由は大きく分けて3つです。
1つ目は、それまでできていたことが急にできなくなったことです。例を挙げると、バイバイと声を出して手を振っていたのに、突然声も出さず、手を振る動作も忘れてしまったかのようにしなくなったこと。
そして、かわいいなどの簡単な発語があったのに、しなくなったこと。食事は、ほとんど好き嫌いなく食べていたのに、特定の物しか食べなくなったことです。
これらは折れ線型自閉症と呼ばれていて、成長の停滞または後退を表すものです。
2つ目は、特殊な動作をすることです。車をひっくり返してタイヤをクルクル回して遊ぶだけで、走らせて遊ぶことをしない。ブロックで遊ぶ時も指先でクルクル回すだけで、くっつけて遊ぼうとしない。手の平を自分の顔の前でヒラヒラと動かす。興奮すると両手をパタパタと動かすなどです。
これらも自閉症の特徴的な動作です。
3つ目は、睡眠障害です。1歳を過ぎるまで母乳で育てていたため、気付かなかったのですが、夜中に何度も起きてしまいます。息子の場合は、9時頃に寝て、夜中の2時に起き、明け方5時まで布団で暴れてまた眠るといった睡眠が続きました。
自閉症の人は脳のホルモンのバランスが良くないことで睡眠障害が起きやすいと言われていますが、はっきりとした原因は分かっていないようです。
以上3点が息子が発達障害ではないかと疑った理由です。
発達障害を疑った後
まずは、医師に相談に行きました。小児科に行くのは間違いないのですが、診療の内容に「発達相談」と書かれている病院に相談に行かなければなりませんでした。私の場合は、3つの病院に行きました。まず小さな個人病院に行き、国立病院に紹介状を書いてもらいました。ここで病院の診断を出してもらって終わる予定だったのですが、何ともひどい対応をされたので不審に思い、もう1つ別の病院に行きました。
結局、全ての病院で発達障害の疑いがあることを告げられ、最後に行った病院で初めて市役所に相談に行くように勧められました。
市役所に相談に行くと、市役所では発達障害が疑われた親子向けの教室が開かれているとの事で、月に1度その教室に通うことになりました。幼児教室のようなものですが、周りの親は子供の発達に悩んでいる方ばかりでしたので、自然と子供の悩みなどを打ち明けることができて、辛い気持ちが少し和らいだのを覚えています。
専門医の診断を受ける
市役所の親子教室に3回ほど通った時に、「療育」という言葉を知りました。療育を専門とする幼稚園があり、市役所から斡旋してもらうのですが、そのためには「専門医による診断書」が必要だと言われました。まずは市役所から専門医を紹介していただき、受診する日を待ちました。
3ヶ月程で順番がまわってきたので受診したのですが、結果、息子の年齢は2歳7ヶ月だったのに対して発達年齢は1歳1ヶ月でした。夫婦で愕然とし、妻は泣き崩れてしまいましたが、その時に医師が「必ず成長はします。お子さんを信じて子育てしてあげて下さい。」と言って下さいました。私はこの言葉にどれほど救われたか分かりません。
療育の重要性
児童発達支援型の幼稚園に通い、先生方から手厚い支援(療育)を受けることができました。食事の仕方から、服の着替え方、排泄の仕方など当たり前にできるはずのことができない息子を毎日支援して下さったお陰で、少しずつ食事の仕方を覚え、服の着脱ができるようになり、トイレに向かうようになりました。
一般の幼稚園では皆で決められたことを決められた通りにするのが普通ですが、児童発達支援型の幼稚園は違います。個人に合った方法、手段を考え、支援してくれるので、できないことができるようになるというところに重点を置いています。
療育の効果が1番高くなるのは、幼少期だそうです。つまり、できるだ早く療育を受ければ、できないことができるようになる確率が上がるのです。特に身辺自立は、生活をする上で欠かせないことですので、子供の発達に疑念を抱いたら、勇気を出してすぐに行動に移すことが大切です。