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ADHDの性質をカバーするために行うべき対策とは

 

 この記事は発達障害のADHDと診断を受けた20代の女性に書いていただきました。

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 私は発達障害のADHDですが、衝動性は少なく、「不注意性」が優位な性質を持っています。衝動性が少ないのは恐らく大人になってからコントロールする術を身に着けたからです。小学生時代は思ったことをストレートに言ってしまったり、お友達をたたいてしまったりすることがよくありました。

 しかし、不注意性に関しては成長しても変わらず、何も対策をしなければ社会人としてやっていけないレベルだと思っています。学生時代は物の忘れ物が多かったですが、仕事ではスケジュールややるべき仕事を忘れてしまいます。

 今回はADHDの性質をカバーするために、私が実践している生活上の工夫について書きます

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対策①30分前に余裕を持って準備する

 私は小学生時代から準備することが苦手です。前日に教科書を準備したり、宿題をやったりすることができませんでした。これはADHDの人であれば覚えがあると思います。社会人になってからも、何も対策をしなければ小学生の頃と同じです。ですので、社会人になってからは、例えばお客様と電話する予定があった時には、30分前にアラームをかけ、話す内容や予備知識が用意します。そうしないと、しどろもどろになってしまうこともあるからです。そうすることで痛恨のミスを事前に防ぐことができます。

 発達障害の有無に関わらず、仕事は事前準備で9割方決まっています。30分余裕を持って行動すれば大抵のことはやり遂げることができます。

対策②返事はすぐ返す癖を付ける

 やるべきことを先延ばししてしまうのも発達障害(ADHD)の特徴です。私の学生時代は宿題をやろうとしても注意が散漫して、結局は提出できなかったということが多かったです。やらねばならないと分かっていても集中できないので「後でやればいい」と考える習慣がついてしまっていました。学校ならまだしも仕事であれば大問題です。

 社会人になってからはライン、メール、電話でメッセージが届いたら、意識してすぐ返すようにしました。メッセージが来たら1分以内に返事をします。「別に後でいいや」と思ってると今までの性質は変わらないからです。報連相ができる社会人は信頼を得られますが、それをすぐに行うことでさらに評価が上がります。

対策③やることはすぐメモを取る

 私は記憶することが苦手です。記憶できない、というよりはADHDの性質により集中力がなく、人の話を聞いている時でも別のことを考えてしまうので話が頭に入らないのです。そのため、仕事の時や大事な場面では、聞いたことはすぐメモを取るようにしています。メモを取るという意識を持っているため、話も普段よりは頭に入ってきます。

 また、仕事をする際は、一連の流れをチェックリストを作ってまとめ、ミスを防ぐようにしています。以前は付箋を作ってメモをしていましたが、付箋自体を見るのを忘れてしまうので、1つのチェックリストに情報を集約するようにしました。

対策④予定はすべてリマインダーに書き込む

 予定があったとしてもうっかり忘れてしまうのもADHDの特徴です。そのため、予定ができたときはスマートフォンアプリの「リマインダー」に書き込むようにしています。このアプリは予定を指定した日時に通知してくれる素晴らしい機能があります。また、予定が完了して実行済み項目にチェックを入れるまではスマートフォン上で通知し続けるため、同時並行で作業を続けている場合でも作業の抜けがなくなります。

 ADHDのある人にとっては必須と言えるアプリです。やることがあればすぐリマインダーに書き込む習慣をつくりましょう。

対策⑤周りの人に助けてもらう

 生活する上での工夫を幾つか述べてきましたが、ADHDは障害である以上できないことはどうしてもできないものです。苦手なことは工夫することで改善することはできますが、根本的な原因が脳の機能不全なのでできないことは仕方がないと考えるのが妥当です。

 まずは自分の苦手な部分をしっかり理解することが大切です。物忘れが多い、集中力がない等。苦手なことは素直に認めて、周りの人にフォローを頼みましょう。会社で障害をカミングアウトをすることは勇気がいることですが、仕事には適材適所があります。苦手なことをやり続けても効率は良くないし、精神が疲弊してしまいます。そうなる前に誰かに相談することが大事かと思います。私は信頼のできる上司にだけは自分がADHDであることを言っています。その上で、先ほど書いた対策をしていることも伝えています。「だから、メモばかりをしてたんだな」と理解を示してくれました。

 今の会社で苦しい立場に立たされているのにカミングアウトができないのであれば転職も視野に入れた方がいいです。ハローワークでも相談に乗ってくれますので、そういう公的機関の援助を借りるのも手です。

[参考記事]
「ADHDの私がハローワークで受けた恩恵」

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