この記事は30代の女性に、ADHDの彼とお付き合いをした時にどのようなことが起きたかを書いていただきました。最終的には彼とお別れするという残念な結果になりましたが、二人とも前向きに捉えています。
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以前お付き合いしていた彼がADHDでした。初めは、彼自身の性格や個性だと受け入れていた部分が多かったため、まったく気付かなかったのですが、ふと目に留まった発達障害の記事を読んで、「もしかしてADHDなのでは?」という疑問が膨れ上がったのを覚えています。なにより、当てはまる項目(性質)が多すぎたことでどうしても腑に落ちなかったモヤモヤが、ADHDの存在を知ってからクリアになったことを覚えています。
性質①なんど注意しても、約束の時間に間に合わない
デートの約束をしても、待ち合わせ時間に間に合うことがほとんどありませんでした。付き合い初めの頃は、「単に時間にルーズな人」という解釈をしており、「これまでもこうやって生きてきたんだろうから、直らないよなぁ」とも思っていました。
しかし、毎回数十分~1時間弱もこちらが待たされることが多く「付き合い初めの相手に対しての態度とは思えない」「私を待たせることに罪悪感は無いのか」と、次第にストレスが溜まっていきました。
彼に真剣に問いただしても、「どうしても頑張ろうとしているんだけど、間に合わない」とか「30分前に出ようと思っているんだけど、電車を逃してしまう」「人よりも時間が経つのが早いと感じる」といった返事。初めこそ「何を言ってるの?」と思っていましたが、言い訳を並べてごまかしているというよりも、本当に真剣に悩んでいるようでした。
ただ、30代の男性の言動としては到底理解できない私とって、「彼と付き合っていけるだろうか」と毎回困惑し、喧嘩になることも多々ありました。その後は、たとえば15時~15時30分に待ち合わせるという約束に変え、お互いストレスにならないように工夫したのを覚えています。
性質②過集中時に話しかけると、怒りが爆発する
何か好きなことにのめりこむと、全くほかの事に意識を向けられないほど集中するという態度も多く見受けられました。ADHDを初め発達障害の特徴として「過集中」があります(もちろん、全ての人が持つわけではないですが)。
それはゲームをやったり、SNSやスマホのニュースを見たり、毎日ルーチンとしていることは欠かさず実行するため、「今日はやらない」という判断をしてくれませんでした。そのたびに私は疎外感を覚え、「付き合っている彼女が隣に居るのに無視?」「モラルがない」と悲しくなることも多々ありました。
そして注意をすると、決まって機嫌が悪くなり、時には怒りを抑えられず怒鳴られる態度も見られました。そんな時、私はショックを通り越して衝撃を受けてしまい、頭が真っ白になったこともあります。本人は少し時間が経てば、やっと自分自身を取り戻し冷静になれるのですが、その後は毎回決まって自己嫌悪を抱いているようで、そこからまた正常な気持ちに戻るまでにも時間がかかっていました。
性質③二次障害でうつ病を発症
そんな状況が続いた中で、彼はハードワークとなっていた仕事が上手くいかなくなり、うつ病を発症。休職する事態となりました。初めはADHDが原因でうつ病を発症したとは考えが及ばず、(そもそも発症時に彼がADHDであるとは気付いていなかった)ただひたすらに彼のオーバーワークが原因かと思っていました。
今思うと、会社でのトラブル続きもADHDの症状が原因だったのではないかと思います(過集中、マルチタスクができない、ワーキングメモリが少ない等で怒られる)。
また、休職後の症状は、もはやADHDの症状なのか、うつの症状なのかが分かりにくくなっていました。無気力な上に楽しいことには過集中を繰り返したり、やらなければいけないことを先延ばしにして就職活動を遅らせたり…。挙句の果てには「履歴書1枚書くのにものすごく集中力がいるから、何時間もかかる」と言う言葉に、目が点になってしまいました。ADHDの場合、好きなことでない作業に集中することがとても苦痛・苦手であることをこの時は知りませんでした。
結果、「うつ病なのだからしょうがない」という気持ちと「怠けにしか見えない、復帰できるように努力してほしい」という気持ちが交互に押し寄せ、相手と自分を責めてしまう状況になり、私自身がうつ病になりかけるという負のスパイラルと化していきました。
最終的には彼とはお別れすることとなりましたが、今では互いに傷つけあいながらも成長し、勉強になったと感じています。ADHDの症状を理解しながら付き合うことは大変なことではありますが、知っているのと知らないとのでは相手に対する見方が全然違います。それぞれの個性を大事に、支えあえる努力が必要なのではないかと思います。
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