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発達障害のADHDとはどんな障害なのか。脳が関わっています

 

 「発達障害」は小さいお子さんがいない家庭ではなかなか聞き慣れない言葉ですが、最近になってようやくTVや雑誌などでも取り上げられる機会が増えてきました。

 しかし、言葉は知っていても、どういった障害まで知っている人は少ないように思います。ここでは発達障害の中でも特に多い「ADHD(注意欠陥多動性障害)」の特徴について我が家の体験談も交え、説明したいと思います。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)ってどういう障害?

 発達障害は、年齢と共に備わっていく言葉や社会性、コミニュケーションスキルなどに遅れがある「先天的な脳の障害」です。そして発達障害とは自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群など)や学習障害(LD)などを含めた障害の総称であり、その中の一つにADHD(注意欠陥多動性障害)は含まれます。

 ADHDの特徴は「注意力に欠ける」「多動する傾向がある」「衝動的に動いてしまう」という3つがあります。小さい頃は、どの子どもさんでも走り回ったりと、落ち着きのない行動が見られますが、学童期に入っても

〇授業で静かにじっとしていられない
〇授業で空ばっかり見ている
〇授業中に歩き回ってしまう
〇忘れ物が多い
〇言われたことを忘れてしまう

〇整理整頓が苦手
〇悪口をいわれるとついカッとなって手が出てしまう
〇相手の話の途中で、自分が興味のある全く別の話をしてしまう
などの言動が見られます。本当はADHDのせいで以上の言動が現れているのに、我がままや本人の努力不足だと勘違いされることが多いです。

 先ほどADHDの3つの特徴について書きましたが、これらの中でどれが強く出るのかは人それぞれ違います。「注意力に欠ける」性質が強く出ている場合には「不注意優勢型ADHD」やADD(注意欠陥障害)と言われます。モデルの栗原類さんはADDであることを本で告白しています。

どうしてADHDは起きるの?

 発達障害という言葉がない頃は、親のしつけがなってない、育て方が悪いと言われることもありましたが、そんなことはありません。

 ADHDを抱える人の脳は特に前頭前野の動きが鈍いと言われています。前頭前野はワーキングメモリーと言われる記憶力にも関わっているので、「言われたことを忘れてしまう」のも頷けます。他にも前頭前野は「行動の抑制」も担っているので、ここが弱いということはADHDの多動性に繋がってくるわけです。

前頭前野はヒトをヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられている。この脳部位はワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能を担っている。

ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。

 また、神経伝達物質であるドーパミンの授受がスムーズに行かない事でADHDの性質が起こると言われています。「言われています」と書いたのは、まだADHDが起こる原因がはっきりと分かっていないからです。

ADHDの疑いがある場合は?

 ADHDの疑いがある場合は小学校に入る前であれば検診時に指摘されます。それ以降に疑いがある場合にはスクールカウンセラー、役所、児童相談所、子育て支援センターに相談してみましょう。最初から、お子さんを連れていく必要はないので、まずは「話を聞いてもらう」ということから始めてみると良いと思います。

 また、お子さんへの親としての関わり方、声掛けの仕方なども相談すれば教えてくれます。

ADHDと診断されたら?

 上記の機関に相談に行き、相談員が必要と感じると児童精神科や思春期外来などの医療機関を紹介されます。ADHDなどの発達障害かどうかは、知能テストなどの発達検査をすることである程度、分かりますが、最終的な診断は医師により行われます。

 そして、発達障害は先にも述べたように、脳の先天的な機能異常なので、100%完治するというものではありません。しかし、諦めることは全くなく、ADHDを始めとする発達障害を抱えるお子さんは公的な療育を受けることができます。

 療育ではコミニュケーションスキルを鍛えたり、ワーキングメモリを強化するなどの訓練が行われます。発達障害のお子さん1人1人、症状が違うものです。医師や相談員とじっくり話をして、お子さんにあった療育を見つけると良いでしょう。療育の手続き方法についてはこの記事の最後にリンクを置いておきますので参考にしてください。

 また、ADHDに対する薬物療法としてはコンサータやストラテラという薬があります。これらは副作用が強く出る薬ですので、将来を考えると個人的にはお勧めできません。

息子のADHD

 5歳の頃から落ち着きがないことや忘れ物が目立ってきたことで心配になり、主人と二人で児童相談所に連絡をして相談に乗ってもらいました。そこで産れてから今までの状況を話し、発達検査をしてもらいましたが、結果は年齢よりも突出して良い分野がいくつかあった他は全て年齢相当の結果でした。

 この時点では、様子を見ることになったのですが、小学3年の時、担任の先生から「他の子どもさんは落ち着いて授業を受けているが、〇〇君(うちの息子)は、つい立ち歩いてしまう」と指摘をもらい、もう一度、児童相談所に相談しました。

 そして、担任の先生に普段の学校での様子を児童相談所に伝えてもらい、思春期外来を紹介されました。そこで初めて、ADHDと診断が出ました。薬も処方されたのですが、息子には全く効かず、副作用だけ強く出たので、そのまま様子を見るということになりました。

 息子は現在高校生ですが、周囲のサポートや本人の心がけもあり、中学生になった頃から症状が落ち着きました。このように年齢と共に落ち着いてくることもADHDにはあります。

一番、つらいのは本人

 自分の子どもを障害児として認めたくないという親の気持ちも分かります。私もそうでした。しかし、「できない事を一番、辛くて、困っているのは息子自身だ」と気づき、児童相談所に相談に乗ってもらいました。そして、あの時、迷ったけど相談してよかったと思っています。相談してなければ、したくてもできない事で息子を責めてしまっていたかもしれません。

 そして、障害児にはしたくなかったですが、障害ということで、親のせいではなかったと少し安心したのも事実です。相談は、早ければ早い方が良いです。勇気を出して一歩、前に踏み出してみてください。しかし、先ほどの書きましたが、薬との付き合いには慎重になってください。

[参考記事]
「発達障害の療育ってどんなことをするの?娘の事例と手続き方法」

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