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発達障害により退職を繰り返した私が再就職に成功したポイント

この記事は30代の女性に書いていただきました。

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 この記事は、私と同じように発達障害、或いはその傾向で社会との適応に悩む方々に読んで頂きたく書いてみました。この体験が参考になれば幸いです。

 発達障害は、比較的軽度の場合には気づかれにくいものです。しかし、社会に出ると、仕事のやり方が不効率だったり、人間関係が上手くいかず悩む方が少なくありません。私自身、そのせいで様々な職場・職種を転々としてきました。

 どのように悩んできたのかと具体例をあげてみますと、自分の仕事に気を取られすぎてお客様の対応がおろそかになったり、キョロキョロして落ち着きがない上にあまり考えることなく衝動的に思い付きで行動に移してしまうなど沢山の問題点がありました。

 中でも一番悩んだのは、何度教えてもらって努力しても上手く出来ない、注意して行なっても、どうしても直らないということ、また人の言っている言葉をしっかり理解することが出来ていないためにトラブルも少なくありませんでした。そうした物事の積み重ねはとても辛かったです。

 そんな事を繰り返していくうちに、職場の人間関係もぎくしゃくし、転職をするパターンが多かったです。

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再就職に成功したポイント

 そんな状態が続いたことで鬱病になり精神科を受診するようになりました。治療して数年が経ったある日、診察の待ち時間に偶然『大人の発達障害』のパンフレットを目にし、内容がすべて自分に当てはまっていたのでびっくりしました。

 そこで専門医の診断を受けたところ、自閉症スペクトラム障害とADHDの診断がでました。発達障害の二次障害として鬱病を発症していたことも分かりました。

 その時、医師に就職について相談したところ、障害があることを会社に伝えて入社すること。また、できれば一人で出来る仕事を探した方がいいと言われました。

 その後、障害者が一般就労に就職するための就労移行支援を受けて無事に再就職へと結びつけていくことが出来ました。再就職に成功したポイントをいくつか取り上げてみます。

①苦手な内容の作業に積極的に取り組む
 発達障害の場合、一つの物事しか進められません(マルチタスクが苦手)。その為、複数の物事を進めることが難しい傾向にあります。そこで複数の作業を進めることのできる作業に思い切ってチャレンジしました。

 例えば食堂の手伝いをしていた時、お客様のお膳を下げている途中に他のお客様から「お水を下さい。」と話しかけられたりすることがありました。私はここで「このお膳を下げることとお客様にお水をコップに注ぐ事のどちらをすればいいの?」と頭の中が混乱してしまいました。すっかり慌ててパニックになり、何も出来なくなってしまいました。

 そこで、食堂の店主さんにお客様にお水をあげるよう声をかけられて、やっとその時の対応ができました。このことを通して、自分の中で「お客様から声かけがあったら一番最初に行う」と順番を付け、行動してみるようにしました。こうして、少しずつ周りの様子が見えるようになることで順位付けができるようになり、複数の動作が出来るようになったように感じます。

②ジョブコーチの制度を利用する
 ADHDによる不注意障害もあるため、例え障害者雇用で再就職してもミスで躓くことがあると思い悩みました。そこで就労支援をお願いした作業所は、一般企業への就労後も相談や仕事の支援を受けることが出来る所を選びました。

 私が通った作業所はスタッフの方々がジョブコーチの資格をもっていました。ジョブコーチとは、障害者が一般企業に就職したときに障害者やその家族、企業に人的支援を行う専門職のことです。私も実際に事務の業務でパソコンの入力ミスをたくさん出した際、すごくお世話になりました。ジョブコーチに相談をして、ミスを防ぎながら進めやすい方法を一緒に考えてくれて仕事をきちんと行うことが出来るようになりました。

 特に発達障害の問題で仕事に行き詰り、本人も雇用主もなんとか解決していきたい問題が発生した場合、このジョブコーチの制度を利用すると取り組みやすくなると思います。

③発達障害の特徴をしっかり理解し、仕事のポイントを上手く掴む
 私は発達障害の性質により言葉で説明を受けるよりも、実際に見て覚えるという視覚優位性が強いです。そこで、業務の説明を受ける際は実際に作業をやってもらいました。すると、どのように仕事を進めたらよいのかが早く理解でき、仕事もやり易くなりました。

 逆に、言葉のやり取りによるコミュニケーションがとりにくいのも発達障害の特徴です。その為言葉だけでは解りにくいことが多々あります。説明を聞いてもわからない場合、仕事をどのように進めればよいのか理解出来るまで、具体的に説明をお願いしました。こうして徐々にですが、仕事がやり易くなりました。

 自分の障害の特徴を踏まえて仕事に当たることが出来れば嫌な思いをすることが少なくなります。また、働く環境を自分から整えていくことで安心した社会生活を営なむことができます。

[参考記事]
「私が就労継続支援A型で働くようになった「きっかけ」と仕事内容」

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