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ADHDとアスペルガー症候群の私の「生きていく為の工夫」

この記事は20代の男性に書いていただきました。

…………

 現在、20代後半でシステム開発エンジニアをしています。発達障害を持ちながらプログラミングを仕事にしている人は結構いる印象があります。私の会社の社員を見てもそう感じます。そんな私もその中の一人です。

 今回は発達障害者として生きていくための工夫について書いていきます。

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診断結果

 問診と知能検査によって自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)とADHDが合併していると診断されました。問診では、主に下記の症状が合致していると言われました。

・不注意で物を失くしやすいこと。スケジュール通りに仕事を進められないこと。

・察しが悪く、相手が気にしていることを発言してしまうこと(空気が読めない)。

・集中しすぎて周りが見えなくなる

 知能検査ではDSM-Ⅳテストで言語性IQが動作性IQより50以上高い、という結果でした。20以上離れていると発達障害の疑いがかかると言われていますが、私は50です。

障害特性を抑える工夫

 投薬や療育治療はしていません。正確にはADHD治療薬を試しましたが副作用(めまい、吐き気)が強くて続けられませんでした。一方で、自身の癖は診断前から何となく分かっており、人並みに生活する工夫をしてきましたのでそのお話をいたします。

 ちなみに、工夫で済んでいるというのは私の症状が軽度なためと考えられ、全ての自閉症スペクトラムやADHD傾向の方が「工夫」だけで健常者と同じ生活ができるわけではありません。

例①
 小さい頃は家に様々な図鑑があったと記憶していますが、昆虫や宇宙、恐竜には目もくれず、自動車や電車に夢中でした。型式、路線の名前、行き先をスラスラと暗記していました。

 お恥ずかしい話ですが、図鑑やビデオを見ているときは夢中になりすぎてよく粗相をしていました。おむつは取れていましたから普段であればトイレにいけるのに、過集中している時には失敗することが多かったです。

 幼少期は自動車と電車、小学生ではレゴ、中学生ではテレビゲームに熱中していました。

 これらのことは、相手がつまらないと思っていても今自分が熱中していることを話し続けてしまうという行動にもつながっています。

 まとめると、
〇特定の情報を詳細に記憶できる反面、過集中する。

〇興味の対象が狭くて深い、相手の興味を考えずに話し続けてしまう。

 過集中の性質はデメリットだけではなく、メリットもあります。高い集中力は受験勉強や大学でのレポート作成、研究に役に立ちました。

 つまらない話をし続けてしまう行動に対する工夫としては、意識的に自分からは話さないようにしました。自分と同じくらいの詳しい発言が出たときだけ会話に乗るように気をつけました。そうしないと会話が終わったあとに罪悪感と後悔を感じることが多かったからです。

例②
 ストーカーまがいな片思いをしたことがあります。中学生時代、好きな子ができました。仲良くなる方法が分からずに後をつけて話しかけるタイミングを探っていました。「相手のことを思っているのだから正しい」と当時は思い込んでいました。相手とろくに話したこともないのに、どうにかなると思っていたのです。いま振り返るととても恐ろしいです

 結局は上手く行くことはないのにも関わらず、告白して振られました。それ以来、ストーカーは止めましたが、はっきり言われないと理解できないアスペルガー症候群の性質が現れています。態度や雰囲気から察することができず、明確に言葉で表現されないと理解できないのです。ストーカーの中には結構、発達障害の人もいるかもしれません。

 恋愛以外の日常生活では、成長するにつれて「普通の人の反応」というものを学習していきます。分からないときは、「それってこういうこと?」「もし、こういうことされたら、やだ?」などと聞いてしまいます。変なやつだとは思われますが、人を傷つけるよりマシです。むしろ感覚がズレていることがウケて、人を楽しませることができるようになります。

 これは仕事でもやっています。やはり、周りとのずれがあるので、「最終的にどんな商品にするのか」「これから自分がやる作業は何か」「最悪な事態は何か」を声に出して確認することにしていますので、逆に信頼されます。

例③
 ADHDによる不注意性により忘れ物、物を失くすこと、どこに何を置いたかを覚えていないことは常にありました。給食の白衣を忘れて、気まずい思いをしたこと、水着を忘れてプールに参加できなかったことを覚えています。財布を図書館に忘れてパニックになったこともありました。「ものを探す」というのは今でも最も苦手な行為です。

 工夫としては置く場所を決めて、常にそこに戻すようにします。自宅用、職場用、カバンに常に入れておく用、など同じ商品を複数買い揃えます。靴下や下着は全て同じデザイン・色に統一してひとつなくなっても問題ないようにしています。これらの工夫で相当にストレスが減りました。

[参考記事]
「ADHDの新入社員が入社して来たら、どんな指導をすべきか」

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