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発達障害の子どもを育てる上での夫婦間の衝突で離婚

この記事は30代の女性に、「発達障害児を育てる夫婦関係」について書いていただきました。

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 多くの夫婦にとって、子育てというのは大きな課題です。子育ての意見の食い違いによって、言い争ってしまう人たちも多くいます。

 そして、発達障害の子どもを育てる夫婦にとっては、また一層、悩みは大きくなってしまいます。実際に、発達障害の子どもを育てた私は、最初の夫とは離婚を経験しました(後に再婚)。その際にも、言い争いの火種としては、子育てについて多く話し合いました。

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・発達障害ということがわかった時

 最初に行政の支援センターで「発達障害」ということがわかった時には、最初の夫も、私も、そのことについて勉強し、子どものためにはどういった対応が必要なのかを必死に勉強しました。

 まず念頭にあるのは、子どものことですから、現時点でどんな対応が必要なのか、将来的にはどのようなことが必要になるのか。インターネットや書籍などを集めて毎日情報収集していきました。

・意見の食い違いによる夫婦間の衝突

 しかし、ある日そんな状況に亀裂が入ります。時々は夫婦喧嘩もある仲ではありましたが、そんな口喧嘩の争いの際に、「お前のせいで子どもはこういう状況だ。」という発言がありました。

 その時は、夫の母親と同居している状態だったのですが、どうやら私のいない時間に二人で、「妻の子どもの教育がなっていないせいで発達障害とまで言われてしまった」というような話をしていたらしいのです。

 当然、その後離婚という形になりました。私が親権を持ち、子どもとの二人の生活が始まりました。当然、元夫は別れても子どもの父親であることは違いないので、交流の日を決めて会わせていました。

 そして、ある日、行政の担当の方から連絡が入りました。

「あなたのことを、ネグレクトな親であると言っています。そのため子どもは発達の問題を抱えている。このままでは心配なので、自分がどうにかしたい。」と、夫は子どもとの交流の日に行政の人に相談に行ったらしいのです。

 子どもとの交流の日は週に一回、一泊二日と、比較的多く会わせていたのですが、その結果このようなことになってしまいました。

 もちろん行政の担当者の人には、保育園に毎日私が通わせていること、ネグレクトなどは決して行っていないこと。元夫には虚言のようなものがあり、そのため、自分の都合の良いように嘘も混じった相談をしているのだろうというように説明しました。

 こんなことがあったので、夫と子どもの交流もそんなに頻繁に行っては逆効果だと悟りました。そこから調停で元夫と子どもとの交流の話し合いを始めました。そして、月に一度だけ、親権者である私が許す範囲での交流に抑えて行うということで、話がまとまりました。

 こういうことがありましたが、子どもは可愛く、二人での生活はとても楽しいもので、離婚したことについては後悔したことは一度もありません。しかし、発達障害の子どもは、何かと手がかかります。どうしてこんなに言ってもわかってくれないのだろう、と悩んでは泣いてしまう毎日でした。

・新しいパートナーとの新生活

 子どもの発達障害についての悩みはまだまだつきませんでしたが、その責任を一方的に母親のせいであるなどどいった、言いがかりをつけてくるような家族よりも、子どもと二人で気ままに自由に過ごせる毎日は楽しく過ぎました。

 そして、以前から友達として交流のあった男性と再婚することになりました。新しいパートナーは非常に子どもの好きな男性です。彼も一生懸命、発達障害の子どもについて勉強してくれました。ひそかに買ってきたテキストが押し入れの中に隠れていた時には、なんて優しい人なのだろうと感じました。

 しかし、発達障害というのは大変デリケートな問題です。通常、子どもは食べず嫌いをすると怒られるものですが、発達障害の子どもにとっての食べず嫌いは、そんな生易しいものではありません。こだわりや感覚過敏があることで、食べないと決めたものは、決して、何があっても食べないのです。我がままとか、一般の人の思いつく問題ではないということです。

 そんな発達障害児の独自のルールについて、「ただのわがままなのだから、厳しく言ったらいいのではないか。ちょっとばかり甘やかしすぎなのではないか。」優しい彼からもこのように言われることがありました。

 しかし、発達障害の子どもにとっては、あまりプレッシャーを与えずに、自身のペースで少しずつ、ストレスのないように導いてあげる事が何より大切であることを、毎晩のように遅くまで彼と話し合いました。次第に子どもも彼のことを実の父親以上に慕うようになりました。

・まとめ

 夫婦間でも、同じ人間ではないのですから、ひとつのことについて食い違った意見を持つことは当たり前です。そしてそれが、自らの子どものことになれば、一層真剣にその意見について固辞してしまうこともあると思います。

 こうして新しいパートナーと巡り合い、私が今感じているのは、いくら発達障害の子どもについての子育ての意見が食い違っても、何度でも話し合い、お互いに納得の行くまで意見を交わせる夫婦であれば、そのつながりはますます強い物になっていくということです。口論ばかりで疲れてしまうこともありますが、今では数年の子育ての闘いを経て、お互いを「戦友」と呼んでいる私たちです。

[参考記事]
「発達障害の夫と子どもの間に立つ妻の精神的な負担。病むこともある」

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