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発達障害の子どもが友達を作る難しさ。親ができることとは

この記事は30代の女性に書いていただきました。

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 息子は3歳時検診の際に「発達に心配な点がある」と言われました。その後、行政のアドバイスによって、知能検査を受けました。診断結果としては、「通常よりも約1歳半の遅れがある」ということでした(その後、発達障害の診断も受けました)。このくらいの子どもにとっての1歳半というと、かなりの差があります。

 そのため、周りに比べて出来ない事はとても多く、特に言葉の問題が大きくありました。3歳の時点で、2語を繋げて話すことはできていませんでした。ですので、お友達をつくるのはとても難しいことでした。

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直面した発達障害を持つ子どもの友達づくりの難しさ

 息子の特徴を挙げると

〇言葉によるコミュニケーションが上手く出来ない。

〇こだわりが強く、自分だけのルールをたくさん持っている。例えば円形をした食品の端っこしか食べない。

〇人前で緊張しがちで、なかなか他人を受け入れない。

〇同じ道を好み、普段と違った道で行くと泣く。

〇興味がないことはやらない。

 そんな自閉症の特徴のある子どもなので、友達の輪の中で遊ぶこと自体がとても大きなストレスのようでした。幼稚園でも運動場で走り回る集団から、かなり離れた隅のほうで、おとなしくしている様子です。

 一度、外遊びの際に、乱暴な子どもの一人と肩がぶつかっただけで、もう断固として外には出たがらないようなこともありました。次第にトラブルが生まれそうな子どもの遊び場からは足が遠のいてしまいました。

 苦手なのは人間関係だけではなく、積み木遊びにしても、ゲームにしても、他の子ども達のようには、すんなりとはいきません。興味がないことはやらないのです。先生や周りの大人が気遣い、フォローをしながら、興味を持ってもらえるようにしっかりと働きかけて、やっとその遊びに興味を持つというようなことがほとんどです。

 そんな子どもなので、一緒に遊んでくれる友達をつくることはなかなか上手くはいきませんでした。

次第にわかってくる子どもの個性

 次第に息子の性質について分かってきたのは、人間関係が苦手なのは、言葉の問題もありますが、「乱暴なことが苦手な優しいタイプである」ということ。

 その性質が判明したのは、たくさんの子どもたちが走り回る草むらで、息子は足を草むらに付けることを拒否し、大泣きした時です。

 最初はなぜ草むらを踏んではいけないのか分かりませんでしたが、そんなこんなで数年が経ったある日、子どもがこう言ったのです。

「お花さん、草さんが、かわいそう」

 発達障害の子どもには、彼だけの暗黙のルールがたくさんあるもので、それに対して最初は分からずに親は悩んでしまいます。しかし、それらのルールには、こうしたしっかりした理由がある場合もあるのです。

 他の子どもたちのように外遊びしないとがっかりするのではなくて、その子の個性には、「そうしたくない理由」があるのだと気づいてあげる事が大切です。

 いくら男の子だとしても、無理に外で走り回って遊ぶということはしなくてもよいのです。それも大事ですが、子どもが得意としていること、電車が好きであれば電車に関係する遊びから人との関わりに慣れていけばいいと思います。

発達障害の子どもに良い影響のある友達とは

 そして、発達障害の子どもにとって良い関係になれる友達は、こうした繊細さについて分かってくれる人です。

 大人の世界にも、子供の世界にも「ちょっとしたこだわり」「暗黙のルール」を理解してくれる優しいタイプの人達は必ずいます。

 息子は小学校に入りましたが、少ないながらも「好きな友達」が少しずつ増えて来ました。

 時には、「おい、お前こんなことも出来ないのか」「お前はだまってばかりだな」など、厳しい言葉をぶつけてくる友達もいます。

 しかし、そうではなく、優しい心根を持って穏やかに接してくれる子ども達も多くいるのです。

 今では、たくさんの友達の話を嬉しそうに話をしてくれます。多くは、繊細な優しいタイプの子どもが多いです。また、1歳年下の子どもと、よく話が通じるようで、それは気にせずにその子どもと遊ばせるようにしています。

発達障害の子どもの友達づくりで親がサポートできる事

 発達障害の子どもの友達づくりで親がサポート出来る事とは何でしょうか。

 それは、決して無理をさせず、子どもがどんな時に楽しいと感じるのか。どんな友達と一緒にいたら嬉しい顔をしているのか。それをしっかりと見てあげる事だと思います。

 時には子どもの発達についてしっかりと説明しながら、友達の親御さんとも相談しながら、無理をしない良い関係を築いてあげられる事が望ましいと思います。

まとめ

 発達障害の子どもを持つと、様々な事が思うようにはいかず、悩んでばかりの毎日になってしまいがちです。私は、特に友達が出来るだろうかという事が心配で仕方ありませんでした。何せ、親から見ても、非常に難しいタイプの子どもですから。

 でも、そんな心配は不要でした。

 人間にはデコボコはつきものです。どこかが凹っとへこんでいたら、どこかが凸っと秀でています。周りのお友達との関係も、そんな子どもの秀でた部分を伸ばしてあげることで、きっと上手くいきます。

[参考記事]
「アスペルガー症候群の私は会話が苦手で、想像力が弱い」

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