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最重度自閉症の息子は生活介護の施設に通所し、軽作業を行っています

この記事は40代の女性に書いていただきました。
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 息子は現在24歳で、最重度の自閉症の判定(知的障害を伴う)が出ています。療育手帳は最重度A1です。ですので、自閉症に理解ある施設へ生活介護の利用で通所しています。

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■進路を決める

 特別支援学校の高等部を卒業する時に、進路を決定するうえで最も重要視したのは、自閉症の特性を理解した施設であることでした。

 沢山の施設に見学に行き、実際に施設長さんやスタッフの話を聞きながら、息子に実際に体験させてもらい、合っているのかどうかを見極めていきました。

 ひとりひとり作業の向き不向き、日常生活の流れの中でどのサポートが有効であるかは個人差もあるため、幅広い自閉症の知識や、とっさの時の判断・声かけの仕方などの対応力を持ってくださるスタッフが多い施設を選びました。

■進路先の就労形態

 障害の程度によっては「一般就労」「雇用契約のある就労継続支援A型施設」「雇用計画はないけれど作業した分だけ賃金が発生する就労継続支援B型施設」「生活介護」と、本人や家族の意向で進路は分かれてきます。

 私たち夫婦は、息子は12年の学校教育を経て日常スキルは十分身についたと判断したため、あと残りの人生は笑顔の多い暮らしをしてもらえたら、と思っていました。

 よって我が家の場合は「本人の特性に合った環境で、本人がリラックスして情緒の安定が図れ、心穏やかに過ごしてもらいたい」という意向があったため、生活介護の場で支援を受ける選択をしました。生活介護と言いましても、以下のような軽作業を行います(下の施設は息子が言っているところではありません)。

[施設の特色]
自閉症の障害がある通所利用者に対して,障害特性に配慮した職業活動を中心とした日中活動を支援します。全体で実施する行事はありません。一人ひとりの能力や好みに応じた過ごし方や活動メニューを提供します。2つの作業班が用意されています。

[日中活動内容]
受注作業を中心に、職業・自立訓練を提供しています。受注作業として「食品ケースの作成やシール貼り」「景品ビーズの組み立て」「エアコンフィルター加工」」「カタログ封入」「携帯電話の電源コード巻き」などを実施しています。その他,家事活動・職業実習・地域での余暇活動など個別プログラムの実施もおこなっています。

[利用方法について]
在住区の福祉保健サービス課にて,障害福祉サービス利用に必要な手続きをしていただき、利用希望の登録をして下さい。

「東やまた工房」より引用

■個人がそれぞれのペースで

 息子の通う施設には10人くらいの自閉症の仲間がいて、みんなで日中過ごしています。施設内は自閉症の人が過ごしやすいような視覚支援も手厚くされており、スケジュールも分かりやすく、スタッフさんの声かけひとつにとっても、とても配慮がなされています。おかげで、日常の生活の中で大パニックになるようなことはほぼなくなりました。

 それに対して昔、学校に行っている時にはかなりパニックになっていました。特別支援学校に行っていましたが、通常の学校と同様に年間の行事があり、様々な経験や学びがありました。しかし、日常スキルを学ぶための訓練もあるため、必要なこととはいえ本人にとっては苦痛な時間が多かったと思います。行事の中や日々の学習の中では我慢することや制約も多かったため、窮屈な思いをたくさんしてきたと思います。

 卒業して生活介護の場で過ごす息子は、学校生活とは打って変わって穏やかになっていきました。

■生活介護利用での1日の過ごし方

 午前中は軽作業をして、午後は美術や音楽の活動をしたりレクレーションを楽しんだりしています。軽作業の内容はさまざまで、利用者さんそれぞれの適正に合ったものを用意してくれています。機織り、陶芸、清掃、栞づくり、手芸、名刺づくり、園芸などたくさんの仕事がありますが、息子の場合は飽きっぽさもあるため何種類か用意された中でローテーションしながら作業しています。

 園芸の仕事は、体温調整の難しい自閉症の人に対しては十分注意しながら、休憩と作業を繰り返して行われています。

■本人に寄り添う支援を

 様々な経験や療育の成果もあり、成長の過程でずいぶん落ち着いてきた息子ですが、それでも感情の起伏はあります。本人がクールダウンして落ち着くまでは見守りの支援しかできない場合も多いですが、施設・家庭で連携を取りながらできるだけ同じ対応をして、本人に寄り添う支援をするように心がけています。

[参考記事]
「息子が重度の自閉症と診断されるまでの経緯。療育手帳は最重度A1」

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