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我が子に必要? 療育手帳は取得するべきか?

この記事は40代の女性に書いていただきました。

…………

 発達障害をお持ちのお子さんがいるご家庭なら必ず耳にしたことがある療育手帳。聞いたことはあるけどどんなサービスがあるのか分からない、うちの子に本当に必要なのか分からない、という方も多くいます。

 ここでは療育手帳の取得について、私の体験も含めてご紹介いたします。

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そもそも療育手帳とは?

 療育手帳とは、知的障害者や知的障害児が取得できる必要な手帳です。必要があれな発達障害者も持つことができます。ですが、申請すればだれでも取得できるわけではありません。発達検査や医師の診断を受けて、その結果、手帳が必要だと判断された人が取得できるのです。私の自治体では、2年に1回、手帳の更新があり、療育手帳を継続して持てるかどうかが判断されます。

 療育手帳を持っていることで、以下の支援を受けることができます。

●交通機関の料金の割引
●テーマパークの入園料の割引
●病院に通院する際の交通費の補助
●税金の控除
●特別児童扶養手当などの補助
●障害者枠での就職

など……….助成金が支給されたり、お金の面でも優遇されます。

 子どもに付きっきりになると満足に働くこともできない人もいます。少しでも子どもの将来の為に残してあげることができれば・・・と思えば、助成や割引サービスが受けられることは有難い話です。

発達障害であることを認める勇気

 子供の発達には個人差があります。歩き始めるのが早い子もいれば、発語が遅い子もいます。私自身も、子どもの発達に気がかりなところがあることを感じながらも、「少し発達がゆっくりなだけ、男の子は発語が遅いもの」と言い聞かせてきました。自分の子どもが発達障害であることを認めたくなかったのです。ですが、3歳になるまで単語を話さない長男を見て、親の意地で子どもが受けられる支援を受けさせてあげられないのはだめだと思い直し、療育教室に通うことを決めました。

 長男には、少人数で活動する療育教室が合っていたようで、小学校就学前にはだいぶ言葉を話すようになりました。学力には問題ないのですが、周囲とのコミュニケーションが取りづらく、自分の思ったことを相手に伝えることが困難、気持ちの切り替えが苦手ということもあり、小学校は特別支援学級に通うことになりました。

 私は、コミュニケーションが苦手ということは障害ではないと思っています。大人でもコミュニケーションを取ることが苦手な人でも立派な社会人がいます。ですので、長男を専門の病院へ連れていくことはありませんでした。学校という場で集団生活を経験していくことによって、自然に改善されていくのではないかと思っています(もちろん、全く関係性が作れないのは問題ですので、その際には訓練が必要になります)。

 私にはもう一人子どもがいます。次男は長男より発達が遅く、5歳になっても会話は成り立ちません。単語はたくさん知っているのですが、やはりコミュニケーションが取れないのです。他人と関わって遊ぶことができず、いつも一人でままごとや粘土で遊んでいます。長男は周りの人の様子を見て行動することができるのですが、次男は周りに関心が無いため、集団行動ができません。発達検査でも、実年齢が5歳なのに対し、2歳前後の発達具合だと言われました。大人の指示に従うことができない、従う意味がわからないのです。

 親としては、まだまだこれから伸びる、日々確実に成長していると思いながらも、やはり発達検査の結果はショックで、現実を受け止めきれずにいました。療育手帳を取得してはどうかと言われたのもこの頃です。うすうす感じていた「発達障害」という現実と、きちんと向き合わなければならないと感じたのです。

子どもの為に、親がきちんと子どもと向き合う

 私は次男の療育手帳を取得することを決めました。それは同時に、親も世間も、この子が発達障害であることを認めることになります。専門の医師から診断名をもらい、それを申請書に記入し提出します。申請後は判定機関によってA(最重度、重度)、B(中度、軽度)などの区分に分けられ、その区分によって受けられるサービスが変わります。

 子どもの個性としっかり向き合うと決めたのに、やはり日常の「出来ない現実」を受け止めるのは辛く、療育手帳が必要だと判断しました。ですが、診断名をもらったことによってその障害の特徴を詳しく知ることができ、保育園の先生も子どもに合った接し方をしてくださるようになりました。子どもの将来の為に今できること、今できる訓練をさせてあげることが、子どもの成長につながると信じています。

 これから療育手帳の取得を考えていらっしゃる方は、じっくりと検討し、どんな状況になっても受け止める覚悟を持って我が子と向き合ってください。

[参考記事]
「精神障害者保健福祉手帳を取得したことでの差別と返納の経緯」

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