この記事は30代の女性に書いていただきました。
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子どもが発達障害と診断された後に、実は親もそうだったと気づく事は少なくないようです。発達障害が女性より男性の方が多いというのもあり、お父さん側が実は発達障害だったという話は周囲でもよく聞きます。
今回は我が家のケースを取り挙げて、親と子が発達障害である場合、子どもに対する支援が遅れる懸念があることを説明します。
子どもとそっくりな夫
我が家の場合は、発達障害と診断された我が子を育てるうちに、夫にもそっくりな面がある事に気付き始めました。こだわり、感覚過敏から来る生活の制限、感情の制御が難しく突然キレる、不安が強く新しい事ができない、子どもたちへの対応が一方的で自己中心的…などなど。
同じ特性を持つ子どもと折り合いがつくわけがなく二人はいつも平行線で、間に立つ立場だった私は常にヘトヘトに疲れていました。お互いの気持ちを説明し仲介しても、二人とも「自分が自分が」で自分の立場での見方しかできず、常に泣き声や怒り声が飛び交う我が家はとても平和で穏やかとは言えない状況でした。
発達障害を理解しない
子どもに発達障害があるかも知れないと指摘された時も、夫はなかなか認めようとしませんでした。支援が必要な事も、その支援を受けるために医師に診断書を書いてもらう事も、これから安定した支援を受けるために療育手帳を取得する事も、すべて乗り気ではありませんでした。
今思うと夫自身もそっくりな子ども時代だったために、子どもの行動を「障害」と言われることは自分自身にも障害がある事を認めなくてはならず、抵抗があったのだと思います。
孤独な戦い
子どもに障害があると分かってからの私は、夫からの協力やサポートを得られないままひとりで悩み、手探りで、子どもにとって一番良い環境を整えなくてはなりませんでした。このまま何もしないまま時間が過ぎると子どもへの支援が遅れる懸念があったからです。発達障害特性を修正する機会を逸すると大人になってから苦労します。
一人で全てやらなければいけなかったので、とても孤独で不安な日々でした。自分自身も子どもに診断が下り、ショックを受けていましたが、子どもはその瞬間にも学校へ行き、理解できない環境で無理を強いられている…。そう思うと自分の心の状態がどうのこうのは言ってられず、少しでも早く息子に適した環境を整えなくてはとその一心でした。
やらなくてはならない事は沢山ありました。まず発達障害とはどういうものなのかを知る事。どういうサポートが子どもに必要なのかを知る事。そのサポートを受けるために自分ができる事はどういうものがあるのか…。家庭内でできる事、学校へお願いする事…。調べなくてはならない事が山積みでした。
自治体によっては診断がついた時点で親がどう動けばいいのかを丁寧に指導し、サポートしてくれる所もあるのかもしれません。私が当時住んでいた自治体は、支援体制が整っておらず、相談場所や実際に支援が受けられる場所、行政のサービスと医療的なケア等々の連携がされていなかったので、それぞれ自力で探り、たらい回しにされながらもとりあえず手当たり次第に訪ねてみるしかありませんでした。それはとても消耗する作業でした。
少しずつ、夫も成長して行っている
夫が少しずつ理解を示し始めたのは、実際に子どもが支援を受け始めてしばらくしてからでした。最初は私の思い違いだとか、神経質な性格から障害障害と大げさに言うのだろうとか思っていた様子の夫でしたが、実際に心理士さんや作業療法士さん、言語聴覚士の方や医師など色々な専門家の方の意見を聞き、捉え方も変化していったようです。何より実際の子ども自身が療育で変化していったので、認めざるを得なかったのでしょう。最初に発達障害と診断されてからかなりの月日が経った後、やっと夫も診断を受け入れたような流れでした。
家族背景を考えた上での対策を考える
我が家と同じように、お子さんに発達障害が判明した後に、実は家族も…と気づく家庭は多いです。子どもにとって最適な環境を!と取り組んでいても、なかなかスムーズに支援体制が整わない背景には親の発達障害という問題が大きかったりします。我が家の場合には夫でしたが。
お子さんの発達障害へのケアを進めると同時に、家族の誰か(特に親)が持ち合わせているかもしれない発達障害特性への理解が大事で、そうしないと子どもの支援が遅れるどころか家族全員がつぶれてしまうという最悪の事態も…。
お子さんの相談に行く際は、ぜひ親の性質や性格も伝えて自分の家族にぴったりの支援を一緒に考えてもらった方が良いと思います。
[参考記事]
「発達障害の診断が遅れ、療育を受ける機会を失う」
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