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自閉症スペクトラム障害の父は鬱病です。暴力も振るい殺されそうに

 

この記事は10代の男性に書いていただきました。

……..

 僕が物心ついた頃には父親はすでに鬱病でした。その原因は、発達障害である自閉症スペクトラム障害でした。

 自閉症スペクトラム障害の人は人とのコミュニケーションが苦手です。対人関係などでたくさんの苦労をしてしまう人が多く、それゆえにストレスも抱えやすいです。そうした状況が続いてしまうことで、中には鬱病や、不眠症など、他の病気にいくつも同時にかかってしまう人も少なくありません。これは二次障害と言われています。

 二次障害による鬱病はただの鬱病の人とは違い、先天的にどうしても治すことのできない部分がある為、完治も難しいです。実際、僕の父は今年で精神科に通い始めてから30年になります。

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みんなのお父さんと違う

 僕がまだ幼いころ、父親の自閉症スペクトラム障害や鬱病のことは一切知らせれていませんでした。どこにでもいるただの子供ですので、当然親に駄々をこねて困らせることもあります。

 ある日僕は理由がなんだったかは忘れましたが、父親にしつこく駄々をこねてしまいました。そしたら父は見たこともないくらい目を真っ赤にして突然暴力を振るいだしたのです。まだ幼かった僕にはとても衝撃的な出来事でした。

 突然僕の頭を踏みつけようとしたり、包丁を持ち出して「殺してやる」と僕の胸ぐらを掴んできたり。その光景は「駄々をこねた子供を叱る父親」という感じではなく、「ただキレてしまっているだけ」です。その時のことは今でも鮮明に覚えています。本当に殺されるかと思いました。

 その次の日から二週間くらい、父は家族の誰とも話しませんでした。僕が怒られたのに、なぜか父が拗ねて(すねて)しまっているような感じでした。その後も似たようなことがたくさんありました。父親の言動が明らかに人の気持ちを踏みにじるようなことばかりで、それに対して僕や母親が怒ったりすると逆ギレで暴力を振るうことがたくさんありました。これらの暴力がどこまで自閉症スペクトラム障害の影響なのかは分かりませんが、人との関係が作れないという根底部分がこの障害のせいで起こっているので、関係は深いです。

父親の病気を知った日

 小5の夏。父の暴力的な行動の正体が掴めずにいた僕。父の機嫌を損ねてはいけないと毎日顔色を伺いながら生きていました。それでも父親は周期的に体調を崩してしまっていたので、どうしてもそれに伴って暴れてしまうのです。

 ある日いつも通り父親がキレて暴れてしまった日がありました。母親とお風呂に入りながら、外で暴れている父親の物音を聞いていたの覚えています。とにかく怖かった。殺されると思っていました。

 重い空気の中、母親がすごく真剣な顔で僕に言いました。
「〇〇、実はお父さんは障害があるんだよ。お父さんは自閉症スペクトラム障害っていう生まれつきの発達障害なのよ。診断も受けている」

 僕はあまり驚くことはなく、むしろ安心しました。しかしこの後に言った母親の言葉が僕の今後の人生を苦しませることになりました。

「お父さんの自閉症スペクトラム障害や鬱病のこと、誰にも言っちゃダメだよ。お父さんは病人として見られたくないって言ってるから」

 父が子供の頃、精神病というのはもっと偏見まみれのものだったという。キチガイ呼ばわりされたり、今でこそ鬱病などは現代病であるが昔はそんなことはなかった。そういうイメージが色濃く染み付いてしまっている父親にとって自分が病気であることを人に話すのはとてもハードルの高いものなのです。事情を聞いた自分は納得するしかなく、父親のことを誰にも話さないことを決めました。

自閉症スペクトラム障害でも頑張っている父

 僕の家は自営業です。つまり父が仕事を出来なくなれば、一家全員食えなくなるということ。父が鬱病になったのは20代の頃ですが仕事を休むわけにもいかず、一家を支えるため一生懸命働いてくれていました。自閉症スペクトラム障害といえ、仕事ですから、人間関係も作らなければいきません。それでかなり苦労をしたと思います。それが家での暴力に繋がっていたのだと思います。そりゃ、鬱病も治らないわけです。

 家族のために働く父親には感謝していますが、しかし次第に父親の顔色を伺いながら生きていくのが辛くなってきた私。家族以外にこの苦しみを誰にも話せない。外では笑って、しかし本当は誰にも話せない苦しみがある。たとえ親友さえ話すことはできません。今となってはもっと早く話せばよかった思ってしまうのですが、やはり幼い頃からタブーとされていたことを打ち砕くだけの度胸はまだ当時の僕にはありませんでした。今やっと、自閉症スペクトラム障害などの発達障害の認知が進んでいますが、当時は知らない人が多く、仕方がなかったのですが。

父自身が一番辛い

 自閉症スペクトラム障害のせいで感情表現が苦手な父はいつも人が傷ついたり、不快に思うようなことばかり言ってしまうのです。僕を励まそうとしても僕が泣いてしまうようなこと言ってしまうのです。それに対して僕が怒れば父の暴力を助長することになるので極力抑えるように頑張っていました。

 また、普段より異常に優しくなる時期もあります。一見この時期は安全かなと思うのですがそんなことはありません。いわゆる「ハイ」の状態なのです。この時期がくれば3日と経たないうちに父はキレて暴れてしまうです。家族はその度に傷つきます。

 しかし忘れてはいけないのが本当は本人が一番辛いということ。父にしてみれば逆になぜ僕らが怒っているのかも分からないのです。空気が読めないのも、この障害の特徴です。

本当は誰も悪くない

 ここまでの話の中で父親はかなり暴力的で恐い人というイメージがあるかもしれません。しかし本当はとても優しい人間なのです。スポーツや勉強が苦手な人がいるように、コミュニケーションが苦手な人間がいる。ただそれだけなのです。しかも、その原因が障害です。

 自閉症スペクトラム障害についてみんなが知っている、そんな世の中になればいいなと思っています。この記事が自閉症スペクトラム障害について知るきっかけになってもらえれば幸いです。

[参考記事]
「発達障害の二次障害により自傷行為を繰り返す」

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