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発達障害の二次障害により統合失調症になり入院した経緯

 

この記事は20代の男性に発達障害の二次障害(統合失調症)になった経緯について書いていただきました。
……

 これから私(28歳男)が発達障害の二次障害により統合失調症になり、入院した経緯をお話しします。高校生になってから発達障害(アスペルガー症候群とADHDの性質を併せ持っている)の診断を受けたので、それまでは「普通の子供」として生きてきました。

 私が物心ついたときは、仕事の都合で海外に4年余り過ごしていました。そのせいもあったのか、言葉をあまり発することがなく、英語も日本語も出てきませんでした。

 また、親から聞いた話によると当時から変わった子だったと言います。ミニカーを集めては一列に並べたり、落ち着きがなかったり、異常なまでのこだわりを持っていたりと。ミニカーを一列に並べる行為は自閉症の子供に見られる行動ですが、定型発達の子供でも行いますので、私の場合も発達障害とは関係ないかもしれません。

 5歳のころに日本に帰国したのですが、日本人ばっかりの環境に友人関係も上手くいかず、戸惑いを覚えたまま、小学生に上がりました。小学校でもとにかく落ち着きがなくて、授業中にもかかわらず立ち歩いたり、自由帳に電車の架空の路線図を書いたりして、ADHD(発達障害)の不注意性や多動性が全開に出ていました。

 それが変わったのが、小学校4年生のときでした。4年生の担任の先生が、懇切丁寧に、そして厳しく、的確に指導してくださいました。そうして、授業では立歩くことはなくなり、席に座って受けることができました。でも座っていることはできましたが、集中力がないのは変わらずで、校庭をぼーっと見ていたり、他のことを考えていました。頭の中が多動でした。

 それでも国語、算数、理科、社会は人並みにできたのですが、音楽や図工・技術家庭科・体育などといったものが全然できませんでした。要はかなりの不器用なのです。自閉症スペクトラム(発達障害)の人は不器用であることが特徴として挙げられていますので、恐らくはそれが原因かと思います。

 そして、以上の性質が変わらぬまま、中学校にあがりましたが、落ち着きがなく、授業を受けるのが苦痛でした。それにも関わらず授業の成績は新しく加わった英語を含め、良かったです。ですが、技術家庭や美術・音楽などの成績は相変わらず悲惨なものでした。

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二次障害の統合失調症を発症

 高校の時に祖父が亡くなり、それをきっかけとしてだんだん鬱になってきました。そして精神科に通うことになったのです。「統合失調症」という病名を告げられ、入院を余儀なくされました。その間の3か月は薬の量が増えていき、薬漬けになってしまいました。退院すると同時に、転院を決意して別の病院に行くことになり、そこで初めて、私は「発達障害」であると診断を受けました。

 そこで説明を受けて、やっと納得がいきました。今まで積み重なっていた「自分はなんで人と同じことができないんだろう?」というストレスや将来の不安に、心が限界を迎えたのだと思います。そのきっかけがたまたま祖父の死だったということですが、根本は発達障害だったのです。統合失調症は発達障害の二次障害として表れていたのです。

 そのあとは、発達障害の専門のクリニックに通いました。そして、処方されたのが「ストラテラ」という薬でした。飲んでからは生活上でのミスも少なくなりましたが副作用が強く出てしまい飲むのを止めました。この薬はかなりの確率で副作用が出るので注意した方がいいかと思います。

今となってから感じること

 もう少し早く発達障害に気づいていれば、二次障害(統合失調症)にならずに、私の人生は変わっていたかもしれません。でも、このような障害を持って苦しんできたからこそ、同じ障害を持った仲間に対して相談に乗ることもでき、今では「障害と名前がついているけど、個性だと考えればいい。」と言えるまでになりました。

 私の個性は言語IQが高いことです。例えば文章を書く時には構成がすぐに思い浮かんでスラスラ書くことができます。これは普通の人にはできない「才能」だと思っています。この個性を生かしているので、人生も上手く乗り切っていく自信が出来ました。

 みんなが心地よく住める社会にしたい。これが私の夢です。ですから、発達障害の子供をサポートするボランティア活動を自分のできる範囲でしています。その分、私にできないことは親や友達など他の人に手伝ってもらったりしています。人に手伝ってもらうことは恥ではありません。何かができない分、どこかに必ず自分の能力を生かせる場所があるはずです。そこに還元していけばいいのです。

[参考記事]
「発達障害の「二次障害」とは何か。放置すると大変なことに」

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