この記事は30代の女性に書いていただきました。
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私の夫は高校生の時、友人関係のトラブルから自閉症スペクトラムの二次障害である「強迫性障害」(不安障害)を発症しました。
友人関係のトラブルの理由は詳しく話を聞いたことがないのですが、発達障害の人は悪気は無くてもストレートに言いすぎてしまう部分があるので、思春期にはどうしても起こりうることなのかもしれません。恐らく夫自身、トラブルに陥った理由ははっきりと理解ができていないのかもしれません。
夫の自閉症スペクトラムの二次障害「強迫性障害」が分かるまでの経緯、分かってからの強迫性障害との付き合い方などについてお話します。
自閉症スペクトラムと強迫性障害が分かった経緯
そもそも、私の夫の自閉症スペクトラムが分かったのは、長男の発達障害「自閉症スペクトラム」が分かってからでしたので、夫は自分が発達障害だと分からずに、二次障害の「強迫性障害」と長く付き合ってきました。
よく、うつ病、強迫性障害、パニック障害などで病院に行って、そこで発達障害だと診断されるケースも多いと聞きますが、夫も同じです。同僚にたまたま同じ強迫性障害の人がいて、その方が夫の仕草を見て「たぶんそれは僕と同じ病気だから、1度病院に行ってごらん」と声をかけてもらったのが、きっかけです。そしてそれまで苦しんできた「強迫性障害」は自閉症スペクトラムの二次障害だったことを知ることになりました。
夫の強迫性障害
強迫性障害になるとどんな症状が現れるのかと言うと
・何度も手を洗ってしまう
・鍵をかけたか不安になる
・何度もドアの開け閉めをしてしまう
などですが、夫の場合は、何かの動作をする時に、「ある特定の不安感情」が頭によぎると繰り返し同じことを行います。それは日常のありとあらゆる動作で起こります。ズボンに足を通すとき、ドアを締める時、蛇口を締める時、靴を脱ぐ時、キリがないほどあります。
夫は、「手を洗い終わるまでその不安感情が頭によぎらなければ、手洗いが終われる」と言っていましたが、普通の人からすると、「違うことを考えて手を洗えばいいのに…」と思ってしまいます。しかし、なかなかそんな簡単なことではなさそうです。そんな簡単だったら強迫性障害で苦しんでいないですし、考えちゃダメ、考えちゃダメー!って思うことでまずもう考えちゃってますからね(-_-;)
「同じことを繰り返して気が済むのであれば、気が済むまで繰り返せばいい。」と思いますが、本人はこの「強迫性障害」の症状にとても苦しんでいます。
強迫性障害の治療について
職場の方に声をかけてもらったのをきっかけに、精神科の病院に通い始めました。1年ほど色々な薬を試して薬物療法も行いましたが、残念ながら夫の場合は症状が良くなることはありませんでした。
その数年後に別の病院へ通った時は、薬物療法が上手く合わなかったことを伝え、香りで落ち着けるようなお香や、アロマを提案されました。医師からはできるだけリラックスできる環境を整えることも勧められました。強迫性障害は不安障害ですので、ストレスのコントロールが鍵です。
強迫性障害との付き合い方
仕事の環境や状況により、強迫性障害の症状がきつくなったり、弱くなったりします。夫は自閉症スペクトラムの二次障害として表れているので、人間関係が悪化したり、仕事の進行で行き詰まると強迫性障害の症状も酷くなります。
自閉症スペクトラムの夫は、あれもこれもとマルチに物事をこなすのが苦手です。仕事だけに集中ができるよう、家での環境がストレスにならないように妻として気をつけています。
また、夫は手を洗っている時など、声をかけられることをとても嫌がります。夫が家の中で同じことをずっと繰り返していても、なるべく声をかけたりはしません。そっと見守る姿勢でいます。
どれだけ側にいても、残念ながら夫の本当に感じている葛藤や辛さは私には計り知れません。ただ、パートナーとしてこれからも一緒に強迫性障害と向き合っていこうと思います。
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